今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
まれな表在性または深在性皮膚真菌症の臨床検査・3
Paecilomyces SP.,Alternaria SP.およびScedosporium apiospermumによる皮膚の感染症
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
1帝京大学医真菌研究センター
pp.1354-1355
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903174
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Paecilomyces sp.は非着色性糸状菌,Alternariasp.は着色性(黒色)糸状菌であり,いずれも通常の環境中に生息する汚染菌とみなされているが,まれにヒトに感染症を引き起こす.Paecilomycessp.に起因する真菌症としては,角膜炎や術後眼内炎など眼の感染症が最も多いが,頻度は低いものの,皮膚真菌症,特に深在性皮膚真菌症の原因にもなる.主要原因菌種は,P.variotiiとP.lilacinusである.
一方,Alternaria sp.は,表在性または深在性の皮膚真菌症の起因菌となることがあり,特に顔面に好発する.菌種としてはA.alternataが圧倒的に多く,A.tenuissimaがこれに次ぐ.
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