Japanese
English
症例報告
ミノサイクリンの内服と局所温熱療法で治癒した皮膚Mycobacterium marinum感染症の1例
A case of cutaneous Mycobacterium marinum infection successfully treated by oral minocyclin and topical hyperthermia therapy
山口 礼門
1
,
多賀 史晃
1
,
久保田 佳子
1
,
安澤 数史
1
,
八田 順子
1
,
望月 隆
1
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Fumiaki TAGA
1
,
Keiko KUBOTA
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Junko HATTA
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
1金沢医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
キーワード:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium marinum
,
ミノサイクリン
,
温熱療法
Keyword:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium marinum
,
ミノサイクリン
,
温熱療法
pp.79-83
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206565
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要約 74歳,男性.熱帯魚や爬虫類を飼育していた.初診の4か月前に右手背に小結節が出現し,次第に右前腕へ拡大した.右前腕の小結節からの皮膚生検組織では真皮に膿瘍と多核巨細胞を含む類上皮細胞性肉芽腫がみられた.膿汁および生検組織の抗酸菌培養では光照射により黄色に発色する遅発育性のコロニーが観察され,分離菌はMALDI-TOF MSによりMycobacterium marinumと判定された.ミノサイクリン200mg/日の内服と使い捨てカイロによる局所温熱療法を開始したところ結節は速やかに縮小し,8週間で治癒した.本症に対しては局所温熱療法が有効であることが知られているが,本邦での過去10年間の報告例38例のうち,本治療が施行された例はわずかに10例(26.3%)と実施率は低かった.局所温熱療法は本症に対する抗菌薬の投与期間を短縮し,かつ安全に行える治療法であるため,より積極的な併用が望まれる.
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