Candida parapsilosis感染を伴う頭部腫瘤から診断し得たALK陰性全身型未分化大細胞リンパ腫の1例

ALK-negative systemic anaplastic large cell lymphoma diagnosed by scalp tumor associated with Candida parapsilosis

82歳，男性。左後頭部に瘙痒を伴う紅斑が出現し，9カ月の経過で9×6cm大の腫瘤に増大した。病理組織にて角層内にグロコット染色陽性菌要素を多数認め，真皮から皮下脂肪組織にかけて大型異型細胞のびまん性増殖を認めた。異型細胞はCD3陽性，CD8陰性，CD30陽性，ALK陰性，EMA陽性。皮膚生検組織の三者培養でCandida parapsilosisを検出した。画像検査で両肺に多発腫瘤が散見され，皮膚病変の増大の速さとEMA陽性から肺原発全身型未分化大細胞リンパ腫と診断した。イトラコナゾール内服と多剤併用化学療法計3コースの治療で完全寛解を達成した。二次感染を合併して特異な臨床と経過を示したが，皮膚生検と三者培養が診断治療に有用であったと考えた。