特集 病態から考える薬物療法
第XVIII章 悪性腫瘍
3 Merkel細胞癌
宇原 久
1
,
堀本 浩平
1
Hisashi UHARA
1
,
Kohei HORIMOTO
1
1札幌医科大学,皮膚科学講座
キーワード:
Merkel細胞癌
,
Merkel細胞ポリオーマウイルス
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
抗PD-1抗体
,
抗PD-L1抗体
Keyword:
Merkel細胞癌
,
Merkel細胞ポリオーマウイルス
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
抗PD-1抗体
,
抗PD-L1抗体
pp.968-971
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003301
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Merkel細胞癌は皮膚原発の神経内分泌腫瘍で,高齢者の頭頸部に好発し,免疫抑制状態(HIV感染,リンパ増殖性疾患,臓器移植,免疫抑制薬投与など)が発症のリスク要因となる。発症はまれであるが,罹患率はここ15年で3倍に急増しており1),10万人あたり0.1~1.6とされている2)。Merkel細胞癌は悪性度が高く,急速に増大して早期にリンパ節転移や遠隔転移をおこすため,予後不良である。診断時に49~66%が局所病変のみ,22~31%が所属リンパ節転移,8~12%が遠隔転移を伴っており3)~5),5年生存率はそれぞれ51%,35%,14%と報告されている5)。原発不明でリンパ節転移や遠隔転移のみで発見されるものは12~20%を占め6),これらは予後良好である7)。
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