特集 病態から考える薬物療法
第Ⅵ章 水疱症
1 天疱瘡
山上 淳
1
Jun YAMAGAMI
1
1東京女子医科大学,皮膚科
キーワード:
天疱瘡
,
ガイドライン
,
治療
,
リツキシマブ
Keyword:
天疱瘡
,
ガイドライン
,
治療
,
リツキシマブ
pp.733-738
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003257
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天疱瘡は,表皮細胞間のデスモソームに対する自己抗体によって引き起こされる自己免疫性水疱症である。表皮細胞間の接着には,デスモソームが重要な役割を果たしているが,その主要な構成蛋白として,デスモソームカドヘリンとよばれるデスモグレイン(desmoglein,以下Dsg)とデスモコリン(desmocollin;Dsc)があり,いずれも細胞膜を貫通する糖蛋白で細胞どうしを連結している(図1)。デスモソームの細胞膜内側にはプラコグロビン(plakoglobin;PG)とプラコフィリン(plakophilin;PP)が存在し,デスモプラキン(desmoplakin;DP)をはじめとするプラキンファミリー分子を介して中間径線維であるケラチンと結合している。天疱瘡は,自己抗体によってデスモソームの機能が障害されることにより,表皮細胞間の接着が破綻し,棘融解(acantholysis)による表皮内水疱を形成する疾患である1)。
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