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増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
4.皮膚疾患治療のポイント
これからの天疱瘡治療の展望—抗CD20抗体療法を中心に
Prospects for pemphigus treatment in the future
山上 淳
1
Jun YAMAGAMI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
天疱瘡
,
自己抗体
,
B細胞
,
抗CD20抗体療法
,
リツキシマブ
Keyword:
天疱瘡
,
自己抗体
,
B細胞
,
抗CD20抗体療法
,
リツキシマブ
pp.125-128
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205404
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summary
現在,天疱瘡の治療は副腎皮質ステロイドが中心であるが,将来的には標的を絞った新たな治療法が期待される.リツキシマブは抗CD20ヒト/マウスキメラ型抗体で,B細胞を特異的に排除することで抗体産生を抑制する.海外では,500例を超える天疱瘡の症例に対して豊富な治療実績があり,欧米のガイドラインではステロイド治療抵抗性の天疱瘡に対する治療法として確立されてきた.日本でも,難治性天疱瘡への適応拡大をめざした医師主導治験が進んでいる.治療抵抗例のみならず初期治療においても,ステロイド単剤治療群との比較試験によりリツキシマブの有用性が示され,天疱瘡の治療戦略が大きく変わろうとしている.有害事象のリスクの軽減,適応症例の選定,費用対効果の検討など,再評価が必要な問題も多いが,ステロイドに依存しない治療の新たな選択肢として,臨床現場では一日も早いリツキシマブの天疱瘡への適応拡大が待ち望まれている.
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