天疱瘡，類天疱瘡

はじめに

　皮膚は表皮，真皮，皮下組織で構成されている。表皮細胞間にはデスモソームが存在し，表皮細胞間の接着をおこない，表皮基底細胞の真皮側に存在するヘミデスモソームは真皮との接着の役割を果たしている（図1）。基底膜部はBP180，インテグリンα6β4，ラミニン332からなる透明板と緻密層で構成される。緻密層の真皮側にはⅦ型コラーゲンを主とした係留線維が存在している。表皮の細胞間・細胞基質間の接着機能が障害され，表皮内あるいは表皮下に液体が貯留し表皮が挙上したものを水疱という。天疱瘡，類天疱瘡はこれらの構成成分を抗原とする自己免疫性水疱性疾患である。