治療
天疱瘡治療の現状と将来
山上 淳
1
1慶応義塾大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Azathioprine
,
IgG
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
血漿交換
,
多剤併用療法
,
天疱瘡
,
経口投与
,
アルゴリズム
,
重症度指標
,
診療ガイドライン
,
大量薬物療法
,
パルス療法(薬物療法)
,
Rituximab
,
静脈内注入
Keyword:
Rituximab
,
Administration, Oral
,
Algorithms
,
Azathioprine
,
Drug Therapy, Combination
,
Immunoglobulin G
,
Infusions, Intravenous
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Pemphigus
,
Plasma Exchange
,
Severity of Illness Index
,
Practice Guidelines as Topic
,
Pulse Therapy, Drug
pp.1137-1144
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017051314
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天疱瘡は指定難病であり,難病情報センターによると2014年末時点で日本国内に約6,000人の症例が登録されている.日常診療でみることの少ない疾患ではあるが,多い都道府県では500人以上,少ない県でも30人程度の症例が居住していることから,各地域の基幹病院に勤務する皮膚科医は,天疱瘡の患者に遭遇する可能性があるといえる.従来,天疱瘡の診療の問題点は,担当する医師の知識と経験に依存する部分が大きいことであったが,2010年に天疱瘡診療ガイドラインが発表され,全国共通の基本指針が示されたことは,多くの皮膚科医にとって歓迎すべき大きな進歩であろう.天疱瘡の診療経験が豊富なエキスパート集団によって編集されたガイドラインから学ぶ点は多く,天疱瘡の治療にあたる皮膚科医としては,まずはガイドラインを理解し,ガイドラインに則した治療戦略を立てていくことが重要と考えられる.本稿では,天疱瘡治療の現状の支柱となっているガイドラインの重要なポイントを解説しながら,将来の展望なども交えて述べていきたい.(「はじめに」より)
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