Japanese
English
症例
両下腿に広範な石灰沈着を認めた硬化型慢性皮膚移植片対宿主病の1例
Sclerotic chronic skin graft-versus-host disease with extensive calcinosis on both lower legs
斉藤 剛史
1
,
小幡 雅彦
2
,
木ノ内 基史
1
Takefumi SAITO
1
,
Motoshi KINOUCHI
2
,
Masahiko OBATA
1
1旭川赤十字病院,皮膚科(主任:木ノ内基史部長)
2同,病理診断科
キーワード:
硬化型慢性皮膚移植片対宿主病
,
骨髄移植後移植片対宿主病
,
皮膚硬化
,
栄養障害性石灰沈着症
Keyword:
硬化型慢性皮膚移植片対宿主病
,
骨髄移植後移植片対宿主病
,
皮膚硬化
,
栄養障害性石灰沈着症
pp.559-563
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003211
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39歳,男性。19歳時に骨髄移植を受けた。移植後7年目に手指硬化を認め,硬化型慢性皮膚移植片対宿主病と診断され,14年目に両下腿全周性に表面光沢を呈する皮膚硬化を認めた。19年目からは右下腿に疼痛を伴う皮膚潰瘍が出現し,その皮下にはシート状の広範な皮膚石灰沈着を認め,栄養障害性石灰沈着症と診断した。石灰化病変および壊死組織のデブリードマンと植皮術を施行し,植皮部皮下には石灰沈着の再発はなく,外科的切除は有効であった。自験例はまれな病態であり,石灰化の機序は明らかでなく,その治療法は確立されていない。有効な治療法として,外科的切除と石灰化を抑制しさらにその溶解を促す治療の併用が必要と考える。
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