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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
21.移植片対宿主病
Graft versus host disease
梅田 雄嗣
1
UMEDA Katsutsugu
1
1京都大学医学部小児科
pp.938-943
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000679
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1 基本病因,発症機序
移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)は同種移植の際に輸注されるドナー血液細胞がレシピエントを非自己として認識し,同種免疫反応を起こしてさまざまな組織を障害する病態である。生着や拒絶に関与する抗原は組織適合性抗原であり,6番染色体短腕に存在するヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)とよばれる主要組織適合性抗原が移植免疫とおもに関連する。ただし,HLAが完全に一致する同胞間移植でもGVHDは発症し,その際に関与する抗原はHLA分子上に提示されるマイナー組織適合性抗原である。
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