図解 病態のしくみ—遺伝子・サイトカインからみた血液疾患・6
移植片対宿主病
石田 明
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.1289-1294
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902810
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●はじめに 高等動物は,主要組織適合抗原(major histocompatibility antigen:MHA)の差異によって自己と非自己とを識別することができる.ヒトではHLA抗原がその主役をなし,また未知の非HLA抗原(minor antigen)も重要な役割を担っている.
ドナー由来のリンパ球がホストの体内に混入し,かつそれをホストが拒絶できない場合に,このリンパ球がホストの組織適合抗原を非自己と認識して,種々の免疫反応を引き起こす(graft ver-sus host reaction:GVHR).この移植免疫反応に基づく病態を総括して移植片対宿主病(GVHD)と呼ぶようになった.
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