特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
輸血に伴う遅発性の有害事象
輸血後移植片対宿主病
池田 和眞
1
Kazuma IKEDA
1
1岡山県赤十字血液センター
キーワード:
HLA一方向適合
,
移植片対宿主病
,
GVHD
,
マイクロサテライト
,
照射血
Keyword:
HLA一方向適合
,
移植片対宿主病
,
GVHD
,
マイクロサテライト
,
照射血
pp.783-785
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_783
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Summary
▪輸血後移植片対宿主病は,供血者のリンパ球が,HLA一方向適合などの機序により排除されず,患者の抗原に反応し,急速に増殖して,患者の組織を攻撃・傷害することによって起こる.
▪輸血1~2週間後に発熱,紅斑,肝障害,下痢などの症状が出現し,骨髄低形成による汎血球減少症と多臓器不全により,大半の症例が死亡する.
▪患者体内での供血者リンパ球の増殖の証明により診断する.有効な治療法はないが,新鮮凍結血漿を除くすべての輸血用血液製剤の放射線照射により予防可能である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018