Japanese
English
症例
液化石油ガスによる両手凍傷の1例
Hands cold injury due to liquefied petroleum gas
飯島 孝四郎
1
,
伊藤 理恵
1
Koshiro IIJIMA
1
,
Rie ITO
1
1埼玉協同病院,皮膚科(主任:伊藤理恵部長)
キーワード:
液化石油ガス
,
プロパンガス
,
凍傷
,
freeze injury
Keyword:
液化石油ガス
,
プロパンガス
,
凍傷
,
freeze injury
pp.554-558
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003210
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23歳,男性。液化石油ガスボンベの作業中の誤操作で液化した液化石油ガスが両手に噴出した。初診時,両手指に紅斑,水疱および疼痛を認めた。爆発や火災などによる煤や焦げの付着はなく,中毒症状もないことから液化石油ガスの蒸発潜熱によるⅡ度凍傷と診断した。保存的治療により運動・感覚障害を残さず治癒した。一般的な凍傷は初期に損傷の深達度や受傷範囲を判断するのは困難なことから,保存的に経過観察を行うことが多いが,液化石油ガスによる凍傷はfreeze injuryともよばれ,瞬時に深部壊死をきたしうることから,早期のデブリードマンが必要なこともある。そのため受傷直後の急速解凍や防御具の有無,曝露時間などの要因を総合的に判断し治療を行わなくてはならない。
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