Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
Stage Ⅳの乳癌患者に生じた右上肢有棘細胞癌の1例
Squamous cell carcinoma on the upper right extremity with stage Ⅳ breast cancer
宮﨑 駿
1
,
帆足 俊彦
1
,
山田 麻以
1
,
山﨑 香里
1
,
水野 真希
1
,
田中 真百合
1
,
柳原 恵子
2
,
武井 寛幸
2
,
佐藤 吉隆
3
,
前林 勝也
3
,
安齋 眞一
4
,
佐伯 秀久
1
Shun MIYAZAKI
1
,
Toshihiko HOASHI
1
,
Mai YAMADA
1
,
Kaori YAMAZAKI
1
,
Maki MIZUNO
1
,
Mayuri TANAKA
1
,
Keiko YANAGIHARA
2
,
Hiroyuki TAKEI
2
,
Yoshitaka SATO
3
,
Katsuya MAEBAYASHI
3
,
Shin-ichi ANSAI
4
,
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学付属病院,皮膚科学教室(主任:佐伯秀久教授)
2同,乳腺科
3同,放射線治療科
4日本医科大学武蔵小杉病院,皮膚科学教室
キーワード:
有棘細胞癌
,
乳癌
,
重複癌
,
熱傷瘢痕癌
Keyword:
有棘細胞癌
,
乳癌
,
重複癌
,
熱傷瘢痕癌
pp.472-476
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003190
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皮膚悪性腫瘍と他臓器悪性腫瘍の合併はときにみられるが,ともに進行癌の場合は治療に難渋する。症例は72歳,女性。幼少期に受傷した右上肢の熱傷瘢痕から有棘細胞癌が出現し,また所属外リンパ節転移を有するStage Ⅳの右乳癌も重複していた。右上肢からの出血量が多く輸血を要したため,有棘細胞癌の手術を優先した。1cmマージンで切除し,植皮で再建したが,同部位に局所再発がみられ再切除した。乳癌は内分泌療法を施行し,腫瘍・リンパ節の著明な縮小がみられたため,乳房切除,右腋窩リンパ節郭清術を施行した。現在,有棘細胞癌,乳癌ともに完全奏効の状態である。重複癌をきたした場合,予後規定因子やQOL(生活の質)などを踏まえたうえで治療の優先順位を決定することが重要となる。
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