Japanese
English
症例
前額部の癤から眼窩蜂窩織炎に進展した1例
Orbital cellulitis following a furuncle on the forehead
福岡 聖菜
1
,
久保 正英
1
,
川畑 和幸
2
,
市村 信一
3
Seina FUKUOKA
1
,
Masahide KUBO
1
,
Kazuyuki KAWABATA
2
,
Shinichi ICHIMURA
3
1JCHO熊本総合病院,皮膚科(主任:久保正英部長)
2同,眼科,部長
3市村皮膚科医院,院長,八代市
キーワード:
眼窩蜂窩織炎
,
上眼静脈血栓症
,
皮膚感染症
Keyword:
眼窩蜂窩織炎
,
上眼静脈血栓症
,
皮膚感染症
pp.273-276
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003113
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28歳,女性。初診4日前に左前額部の癤に対して抗菌薬の内服を開始したが,症状が増悪したため当科を受診した。左前額部の丘疹から左眉毛部にかけて索状の発赤を認め,左上眼瞼の腫脹,左眼球結膜充血と流涙を伴っていた。血液検査,眼窩部CT所見より左眼窩蜂窩織炎と診断し,抗菌薬全身投与を開始したが,翌日に左眼球突出が出現した。頭部MRIで左上眼静脈血栓を認めたため,ヘパリン持続静注療法を併用し,徐々に症状は改善した。眼窩蜂窩織炎は主に副鼻腔炎に続発する重症感染症であるが,自験例は前額部の癤から血行性に眼窩内へ感染が波及したと考えられた。顔面の皮膚感染症では,近傍に重要臓器が多いため経過に注意する必要がある。
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