Japanese
English
症例
Panton-Valentine Leukocidin陽性市中感染型MRSAによる癤腫症の1例
Furunculosis Due to Panton-Valentine Leukocidin-producing Community-associated Methicillin-resistant Staphylococcus aureus
北村 佳美
1
,
本田 治樹
1
,
中川 弘己
1
,
永田 誠
1
Yoshimi KITAMURA
1
,
Haruki HONDA
1
,
Hiroki NAKAGAWA
1
,
Makoto NAGATA
1
1京都第一赤十字病院,皮膚科(主任:永田 誠部長)
キーワード:
Panton-Valentine leukocidin
,
市中型MRSA感染症
,
癤腫症
Keyword:
Panton-Valentine leukocidin
,
市中型MRSA感染症
,
癤腫症
pp.1959-1964
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002316
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20歳代,女性。右上背部,四肢に紅斑,腫脹が出現した。創部培養からMRSAによる癤腫症と診断し,バンコマイシン塩酸塩,ダプトマイシンの点滴を行った。退院後はクリンダマイシンリン酸エステルとドキシサイクリン塩酸塩水和物の併用にて症状は消退した。しかし,抗菌薬の投与終了2週間後,両大腿部に同様の病変が出現したため,内服を再開した。MRSA菌株の遺伝子解析により,Panton-Valentine leukocidin陽性市中感染型MRSAによる癤腫症と診断した。クリンダマイシンリン酸エステルとドキシサイクリン塩酸塩水和物の再開にて皮疹の新生は抑制され,3カ月間の内服継続投与を行った。自験例のように健常人における皮下膿瘍や癤・癰などで局所所見が強く,再燃を繰り返す場合には,PVL陽性市中感染型MRSAを念頭に置く必要がある。
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