Japanese
English
症例
慢性砒素中毒との関連が疑われた多発性基底細胞癌の1例
Multiple basal cell carcinoma possibly associated with chronic arsenic exposure
神﨑 美玲
1
,
髙向 梨沙
1
,
遠藤 瑠璃子
1
,
森 雅史
2
Mirei KANZAKI
1
,
Risa TAKAMUKI
1
,
Ruriko ENDO
1
,
Masashi MORI
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲主任部長)
2森医院,水戸市
キーワード:
基底細胞癌
,
多発性
,
砒素
,
慢性砒素中毒
,
井戸水
Keyword:
基底細胞癌
,
多発性
,
砒素
,
慢性砒素中毒
,
井戸水
pp.2067-2070
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003007
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87歳,男性,農業従事者。50年以上にわたる井戸水の飲用歴があった。6年前,腰部の基底細胞癌に対する手術治療歴があった。放射線治療歴および梅毒,乾癬の既往なし。2年ほど前より,体幹に黒褐色結節が出現して徐々に増大した。左季肋部に15×8mm大の黒褐色結節があり,ダーモスコピー所見で葉状構造がみられた。体幹を中心に2~5mm大の黒褐色斑が多発しており,腰背部には爪甲大の白斑が散見された。掌蹠に角化性病変や小陥凹はなく,単純X線画像で顎骨囊胞はなかった。複数の黒褐色病変を切除したところ,いずれも基底細胞癌であった。井戸水の長期飲用歴,農薬取り扱い歴を有することから,慢性砒素中毒に関連して多発性基底細胞癌を生じた可能性が疑われた。
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