Japanese
English
症例報告
砒素治療が誘因と考えられた多発性ボーエン病の1例
A Case of Multiole Bowen's Disease Induced by Arsenical Drug
古家 良
1
,
市橋 正光
2
Ryo FURUYA
1
,
Masamitsu ICHIHASHI
2
1三木市民病院皮膚科
2神戸大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Miki City Hospital
2Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
多発性ボーエン病
,
慢性砒素中毒
,
砒素製剤
Keyword:
多発性ボーエン病
,
慢性砒素中毒
,
砒素製剤
pp.847-850
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204175
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砒素製剤が誘因と考えられた多発性ボーエン病の69歳男子例を報告するとともに,1980年以後の本邦の慢性砒素中毒による皮膚腫瘍の報告例を検討した.集団発生例を除く報告例の約半数は砒素製剤によるもので,サルバルサンとフォーレル水が大半を占めた.砒素製剤は現在でも歯科領域で使用されており,他剤も比較的最近まで使用できたことと発癌までに15〜30年を要することから,今後も新患の発生は十分に予想される.また,多発性ボーエン病の診断に当たっては,砒素摂取の可能性に関する問診を十分に行うことが重要と考える.
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