Japanese
English
症例報告
砒素の関与を疑った多発性Bowen病の1例
A case of multiple Bowen's disease suspected to be associated with arsenic poisoning
近藤 亨子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Kyoko KONDO
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
多発性Bowen病
,
砒素角化症
,
慢性砒素中毒
Keyword:
多発性Bowen病
,
砒素角化症
,
慢性砒素中毒
pp.400-402
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102000
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要約 73歳,女性.初診の約2年前より,四肢の結節が増大してきた.掌蹠には半米粒大の角化性小結節が多発し,四肢に径3cm大までの紅色から褐色の角化性扁平結節が多発していた.病理組織学的には,掌蹠の結節は砒素角化症に,四肢の結節はBowen病に合致した.画像検査では内臓悪性腫瘍は認めない.砒素剤による治療歴や砒素を扱う職業歴はなかったが,生活歴として20歳頃まで井戸水の飲水歴があり,井戸水が砒素により汚染されていた可能性が疑われ,慢性砒素中毒による多発性Bowen病と考えられた.
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