Japanese
English
特集 あらためて学ぶ。薬疹と皮膚障害
症例報告
ヒドロキシカルバミドによる下腿潰瘍の1例
Leg ulcers due to hydroxycarbamide
品田 結衣
1
,
高藤 円香
1
,
西澤 綾
1
,
佐藤 貴浩
1
Yui SHINADA
1
,
Madoka TAKAFUJI
1
,
Aya NISIZAWA
1
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校,皮膚科学講座(主任:佐藤貴浩教授)
キーワード:
潰瘍
,
下腿
,
ヒドロキシカルバミド
,
薬疹
Keyword:
潰瘍
,
下腿
,
ヒドロキシカルバミド
,
薬疹
pp.1870-1874
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002946
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91歳,女性。本態性血小板血症に対しヒドロキシカルバミドを7年間内服中,右下腿に疼痛を伴う潰瘍と浮腫が出現した。初診時,右下腿に周囲に点状紫斑を伴う潰瘍と,踵後面に円形打ち抜き状潰瘍を認め,いずれも強い疼痛を伴っていた。ヒドロキシカルバミドによる皮膚潰瘍と診断し,ヒドロキシカルバミドの減量と外用療法を試みたが奏効せず,休薬により上皮化した。ヒドロキシカルバミドを再開後,浮腫と小潰瘍の再燃を認めたが,弾性ストッキング着用により浮腫の改善に伴って潰瘍は上皮化した。潰瘍の再燃なく投与継続可能であった。ヒドロキシカルバミドによる潰瘍形成機序はいくつか推論されているが,互いに影響し合っている可能性も考えられる。自験例ではうっ滞の改善によるヒドロキシカルバミド再開の可能性について提示した。
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