Japanese
English
特集 抗酸菌感染症
Mycobacterium gordonaeによる顎下膿瘍の1例
Submandibular abscess caused by Mycobacterium gordonae
野村 祐輝
1
,
久米 典子
1
,
植木 瑶子
1
,
山﨑 文和
1
,
中西 孝尚
2
,
尾形 誠
2
,
岡本 祐之
1
Yuki NOMURA
1
,
Noriko KUME
1
,
Yoko UEKI
1
,
Fumikazu YAMAZAKI
1
,
Takahisa NAKANISHI
2
,
Makoto OGATA
2
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学,皮膚科学講座(主任:岡本祐之教授)
2同,内科学第一講座
キーワード:
Mycobacterium gordonae
,
非結核性抗酸菌
,
トシリズマブ
Keyword:
Mycobacterium gordonae
,
非結核性抗酸菌
,
トシリズマブ
pp.1067-1071
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002684
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47歳,男性。Castleman病に対し,プレドニゾロン30mg/日内服下にトシリズマブが導入され,5回注射後に顎下部を中心に発赤,腫脹,疼痛が出現し増悪した。入院後,顎下部を切開したところ,皮下組織の壊死とともに悪臭のない黄白色の排膿がみられた。CT検査所見では肺に異常陰影があり,顎下部の膿と喀痰の培養で抗酸菌が陽性となった。多剤併用療法などを行い軽快し,後日,両病変よりMycobacterium gordonaeが同定された。皮膚科領域からのMycobacterium gordonae感染症の報告は少ないが,生物学的製剤使用中などの易感染性患者で,悪臭や熱感に乏しい排膿を認めた際は,本菌を含めた抗酸菌による膿瘍を念頭に置く必要がある。
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