Japanese
English
症例報告
テガフール・ウラシルにより生じたDLE型薬疹の1例
A case of discoid lupus erythematosus-like drug eruption due to tegafur-uracil
小川 夕貴
1
,
八代 聖
1
,
馬場 裕子
1
,
河原 由恵
1
,
瀧澤 一
2
Yuki OGAWA
1
,
Kiyoshi YASHIRO
1
,
Yuko BABA
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
,
Hajime TAKIZAWA
2
1一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科
2滝沢皮膚科
1Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
2Takizawa Hihuka, Yokohama, Japan
キーワード:
テガフール・ウラシル
,
円板状エリテマトーデス型薬疹
Keyword:
テガフール・ウラシル
,
円板状エリテマトーデス型薬疹
pp.37-41
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205927
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要約 77歳,女性.盲腸癌術後,後療法としてテガフール・ウラシル(UFT®)を内服開始し2か月後,頭部に脱毛を伴う紅斑,体幹に3〜5cm大の鱗屑を伴う角化性紅斑を認めた.背部の紅斑より生検を施行したところ,表皮の萎縮,液状変性,真皮浅層のリンパ球浸潤を認め,血清学的には抗核抗体陰性,抗SS-A抗体陽性であった.UFT®中止後に皮疹が速やかに改善した経過を含めて,自験例をUFT®による円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus:DLE)型薬疹と診断した.近年フルオロウラシル系薬剤は,改良に伴い血中濃度が高く維持されるようになったため,DLE型薬疹が投与期間や総投与量に相関せず早期に発症する例が多く報告されている.発症には,薬剤そのものによる基底膜障害や,紫外線および抗SS-A抗体存在下での,基底層における自己免疫反応の関与が推察されている.本症例においてもUVB最小紅斑量の低下と抗SS-A抗体陽性を認め,その関連が示唆された.
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