Japanese
English
症例報告
プロポリスによるアレルギー性接触粘膜炎の1例
A case of allergic contact stomatitis caused by propolis
平田 佳子
1
,
八代 聖
1
,
馬場 裕子
1
,
河原 由恵
1
Yoshiko HIRATA
1
,
Kiyoshi YASHIRO
1
,
Yuko BABA
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
1けいゆう病院皮膚科
1Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
プロポリス
,
接触粘膜炎
,
パッチテスト
Keyword:
プロポリス
,
接触粘膜炎
,
パッチテスト
pp.671-675
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206134
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要約 59歳,女性.初診2か月前より口腔内の違和感を自覚し,2週間前より口腔内にびらんと疼痛,腫脹を認めたため当科を受診した.初診時,硬口蓋にびまん性のびらんと口唇粘膜に淡い発赤が認められたが自然に治癒.その後ニュージーランド産プロポリスを含むマヌカハニー飴を摂取した際,38.6℃の発熱と粘膜症状が再発した.硬口蓋から行った粘膜生検では,粘膜上皮肥厚と海綿状態,上皮固有層境界部での液状変性,固有層浅層でのリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めた.パッチテストでニュージーランド産プロポリスに陽性反応を認め,アレルギー性接触粘膜炎と診断した.プロポリスによるアレルギー性接触粘膜炎は接触皮膚炎と比べて稀だが,近年のプロポリスを使用した口腔ケア製品や食品等の増加に伴い,報告が散見される.パッチテストで比較的強い陽性反応がみられ,患者へはプロポリスの経口摂取だけでなく皮膚への使用も避けるよう指導が必要と考えられる.
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