Japanese
English
症例報告
イヌ咬傷で生じた皮膚Mycobacterium chelonae感染症の1例
A case of cutaneous Mycobacterium chelonae infection caused by dog bite
石田 修一
1
,
山口 由衣
1
,
野崎 由生
1
,
岡田 里佳
1
,
侯 建全
1
,
相原 道子
1
Shuichi ISHIDA
1
,
Yukie YAMAGUCHI
1
,
Yuu NOZAKI
1
,
Rika OKADA
1
,
Kenzen KOU
1
,
Michiko AIHARA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
Mycobacterium chelonae
,
非結核性抗酸菌
,
イヌ咬傷
,
クラリスロマイシン
Keyword:
Mycobacterium chelonae
,
非結核性抗酸菌
,
イヌ咬傷
,
クラリスロマイシン
pp.239-242
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204356
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要約 42歳,女性.初診の2か月半前に飼いイヌに右手背を咬まれ,その後,同部に出現した紅斑が徐々に拡大し,硬結を認めるようになったため受診した.病理組織像で真皮に肉芽腫性炎症を認めた.組織のZiehl-Neelsen染色,PAS染色は陰性であったが,培養にて抗酸菌が陽性であり,DNA-DNA hybridization法によりMycobacterium chelonaeと同定した.クラリスロマイシンで治療開始したが改善せず,レボフロキサシンとアミカシンを追加投与し温熱療法を併用した.皮疹は徐々に改善傾向を示したが,紅斑が消失しないため外科的切除を施行し,治癒した.動物咬傷後の皮膚M. chelonae感染症の報告は稀であるが,動物咬傷後に遷延する皮膚病変が出現した場合は本症も念頭に置く必要があると考えた.
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