Japanese
English
症例
診断時に顔面血管線維腫を主症状とし,シロリムスゲルが皮疹に有効であった結節性硬化症の2例
Two cases of tuberous sclerosis with facial angiofibroma as the major symptom successfully treated with topical sirolimus gel
関根 史織
1
,
尾山 徳孝
1
,
長谷川 稔
1
,
大嶋 勇成
2
,
安富 素子
2
,
石田 久哉
3
,
早川 幸紀
4
Shiori SEKINE
1
,
Noritaka OYAMA
1
,
Minoru HASEGAWA
1
,
Yusei OSHIMA
2
,
Motoko YASUTOMI
2
,
Hisaya ISHIDA
3
,
Yukinori HAYAKAWA
4
1福井大学医学部環境運動医学講座,皮膚科学(主任:長谷川稔教授)
2福井大学医学部病態制御医学講座,小児科学
3いしだ皮膚科クリニック,鯖江市
4早川皮フ科形成外科医院,福井市
キーワード:
結節性硬化症
,
血管線維腫
,
シロリムスゲル
,
体細胞モザイク
Keyword:
結節性硬化症
,
血管線維腫
,
シロリムスゲル
,
体細胞モザイク
pp.101-104
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002359
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症例1:12歳,男児。1歳時より両頰部に紅色丘疹が出現し,緩徐に多発した。症例2:12歳,男児。7歳時より同様の皮疹が顔面に出現し,頭部MRIで上衣下結節を認めた。いずれも家族に同症はなく精神神経症状や他の皮疹はなかった。病理組織像は血管線維腫であり,症例1を結節性硬化症疑い,症例2を結節性硬化症と診断した。シロリムスゲル外用で皮疹は速やかに退縮した。本症診断時の皮膚症状で血管線維腫を主症状とする症例は,自験例を含めて8例が本邦で報告されているが,年齢,性別,合併症に偏りはみられなかった。血管線維腫の発症に関わる遺伝子変異の体細胞モザイクが,症状の臓器特異的発症や出現時期の違いに関与している可能性が推測された。
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