Japanese
English
症例
パラジウムを含む歯科金属が原因であった環状紅斑の1例
Annular erythema caused by dental metal containing palladium
山根 万里子
1
,
林 宏明
1
,
青山 裕美
1
Mariko YAMANE
1
,
Hiroaki HAYASHI
1
,
Yumi AOYAMA
1
1川崎医科大学,皮膚科学教室(主任:青山裕美教授)
キーワード:
環状紅斑
,
歯科金属
,
パラジウム
,
金属アレルギー
Keyword:
環状紅斑
,
歯科金属
,
パラジウム
,
金属アレルギー
pp.65-69
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002351
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80歳,男性。初診約1カ月前より体幹,四肢に瘙痒を伴う環状紅斑が出現し,抗アレルギー薬やステロイド内服・外用は効果なく当科を受診した。臀部や大腿後面を中心に瘙痒の強いコイン大から手掌大の辺縁に浸潤を強く触れる環状紅斑を認めた。真皮内の血管周囲に好酸球やリンパ球を主体とした細胞浸潤がみられた。画像検索で内臓悪性腫瘍は指摘されなかった。金属パッチテストを施行し塩化パラジウムで陽性を示した。問診より歯科金属(パラジウム)の挿入後から瘙痒や環状紅斑が出現したことが判明した。歯科金属を除去したところ皮疹は速やかに改善した。瘙痒を伴う難治性の環状紅斑に遭遇した際には,歯科金属の関与も疑い十分な問診を行うことが重要である。
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