Japanese
English
症例報告
ε-アミノカプロン酸含有精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液によるアレルギー性接触皮膚炎の1例
A case of allergic contact dermatitis due to ε-aminocaproic acid in a purified sodium hyaluronate ophthalmic solution
小島 豪
1
,
木村 有太子
1
,
栗原 麻菜
1
,
金子 高英
1
,
鎌田 莉有
2
,
海老原 伸行
2
,
髙森 建二
1
,
須賀 康
1
Go KOJIMA
1
,
Utako KIMURA
1
,
Mana KURIHARA
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Riyu KAMATA
2
,
Nobuyuki EBIHARA
2
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Yasushi SUGA
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科学教室
2順天堂大学医学部附属浦安病院眼科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
2Department of Ophthalmology, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
キーワード:
アレルギー性接触皮膚炎
,
ε-アミノカプロン酸
,
as isパッチテスト
,
成分パッチテスト
Keyword:
アレルギー性接触皮膚炎
,
ε-アミノカプロン酸
,
as isパッチテスト
,
成分パッチテスト
pp.107-112
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206890
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要約 42歳,女性.33歳時に発症した中毒性表皮壊死症の後遺症により,マイボーム腺梗塞を発症.ドライアイのため数年にわたり,複数の点眼薬を使用していた.1か月前より両側の上下眼瞼に紅斑が出現したため,点眼薬による接触皮膚炎を疑われて当科を受診した.原因薬剤を特定するため,被疑薬であるヒアレイン®ミニ点眼液0.3%を含む5薬剤のas isパッチテストを施行したが,判定はすべて陰性だった.しかしながら,臨床所見上は点眼薬の接触皮膚炎を強く疑ったため,成分パッチテストを施行した結果,ε-アミノカプロン酸(ε-aminocaproic acid:EACA)が陽性であり,EACAによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した.診断後EACA非含有の点眼薬に変更したところ症状は改善した.また使用していた歯磨き粉もEACA含有のものであったため,合わせて使用を中止した.EACAは多くの医療品,歯磨き粉,ナイロンタイツなどに含有されているため,製品のみではなく,成分パッチテストから得た情報もきわめて有用と考えた.
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