早期胃癌で生じたBazex症候群の1例

Bazex Syndrome Associated with Early Gastric Cancer

70歳代，男性。初診4カ月前より右手掌に角化性紅斑が出現した。初診1カ月前より両足底にも角化性紅斑が出現した。ステロイド外用薬・活性型ビタミンD₃ 外用薬で改善せず，当院を紹介受診した。悪性腫瘍に合併したBazex症候群を疑い，上部消化管内視鏡で早期胃癌を発見し，内視鏡的粘膜下層剝離術を施行した。術後1カ月で皮疹は改善傾向となり，術後4カ月で消失した。過去の報告では，Bazex症候群は腫瘍発見時点で進行癌のことが多く，早期癌はまれだが，胃癌合併例では比較的早期が多い傾向にある。