Japanese
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特集 細菌・抗酸菌感染症
後頭部に生じたMycobacterium mageritenseによる皮膚非結核性抗酸菌症の1例
Cutaneous Nntuberculous Mycobacterial Infection Caused by Mycobacterium mageritense
村上 遥子
1
,
佐々木 優
1
,
岸 晶子
1
,
宮本 友司
3
,
石井 則久
2
,
林 伸和
1
Haruko MURAKAMI
1
,
Yu SASAKI
1
,
Akiko KISHI
1
,
Yuji MIYAMOTO
3
,
Norihisa ISHII
2
,
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院,皮膚科(主任:林 伸和部長)
2国立療養所多磨全生園
3国立感染症研究所ハンセン病研究センター
キーワード:
Mycobacterium mageritense
,
非結核性抗酸菌
Keyword:
Mycobacterium mageritense
,
非結核性抗酸菌
pp.1049-1052
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002044
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47歳,男性。初診の半年前から後頭部に皮下囊腫を自覚。初診2カ月後の再診時,25×20mm大の表面に発赤のある波動を触れる皮下囊腫があり,熱感はなかった。囊腫を穿刺すると,漿液性で黄白色の内容液を採取できた。抗酸菌塗抹検査ではガフキー2号で,小川培地で白色コロニーを形成した。DNA-DNA hybridization法では菌種を同定できず,国立感染症研究所ハンセン病研究センターに依頼し,16S rRNA,rpoB,hsp65の塩基配列解析によりMycobacterium mageritenseと同定した。クラリスロマイシン800mg/日とレボフロキサシン500mg/日の内服を4カ月間行い,皮下囊腫は縮小した。内服を終了後も再発はない。本症はまれな疾患だが,治療が長期に及ぶため確定診断が重要である。
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