Japanese
English
医療
北海道北部および東部地域における乾癬治療
-―患者通院距離による治療選択および地域における乾癬治療オプションの現状―
The Therapeutic Variation for Psoriasis in the Northern/Eastern Part of Hokkaido
本間 大
1
,
澁谷 貴史
1
,
飯沼 晋
1
,
岩崎 剛志
1
,
林 圭
1
,
高橋 英俊
2
,
橋本 喜夫
3
,
山本 明美
1
Masaru HONMA
1
,
Takashi SHIBUYA
1
,
Shin IINUMA
1
,
Tsuyoshi IWASAKI
1
,
Kei HAYASHI
1
,
Hidetoshi TAKAHASHI
2
,
Yoshio HASHIMOTO
3
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学,皮膚科学教室(主任:山本明美教授)
2高木皮膚科診療所,帯広市
3JA旭川厚生病院皮膚科,旭川市
キーワード:
乾癬
,
生物学的製剤
,
地域連携
,
病診連携
Keyword:
乾癬
,
生物学的製剤
,
地域連携
,
病診連携
pp.59-64
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001758
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旭川医科大学皮膚科通院中の乾癬患者の集計から,患者の通院距離によって,乾癬に対する治療選択に差がみられ,通院距離が長い群に重症度の高い患者が多いことが示唆された。また,生物学的製剤による治療群においても通院距離に応じて製剤の選択が行われており,居住地域により乾癬の治療選択肢に制限が生じている可能性があると考えた。そこで乾癬診療に関する地域連携における課題を明らかにすることを目的に,道北地方とオホーツク地方における乾癬診療体制についてアンケート調査を実施した。標準的な乾癬の治療オプションである外用療法,内服療法については,病院皮膚科,クリニックを問わず,ほとんどすべての施設で主要な治療選択が可能であった。ナローバンドUVB療法は,各地域に所在する病院皮膚科のほぼすべての施設で使用可能であった。一方,生物学的製剤による治療については,常勤医のいる病院皮膚科以外では使用実績が少ないのが現状で,使用可能な薬剤が限定される地域もみられた。今後の地域連携においては,基幹病院と地域病院,クリニックの間で生物学的製剤投与時の初期の治療経過をシェアすることも重要で,実際に治療経験を得ることが,その地域における治療選択肢の増加・維持につながる可能性がある。
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