術後経過中に腋窩に病変の発症を認めた陰部乳房外Paget病の1例

Axillary Paget’s Disease Arising After the Excision of Genital Extramammary Paget’s Disease

88歳，男性。2011年に陰部の乳房外Paget病に対して切除術を施行した。その後4年間再発を認めなかったが，2016年6月，陰囊に再度紅斑が出現し，皮膚生検にて乳房外Paget病と診断したため再手術を行った。左腋窩にも紅斑を認め，生検にて同様に乳房外Paget病と診断，切除術を施行した。乳房外Paget病は，組織学的にPaget細胞とよばれる胞体の明るい大型の異型細胞が表皮内，汗腺，毛包で出現，増殖することを特徴とする悪性腫瘍である。外陰部に生じることがもっとも多いが，腋窩，肛囲も頻度は低いものの好発部位であり，また多発することもあるため，術後経過観察中も定期的な診察が必要と考える。