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特集 真菌症
治療後に選手活動から引退した女子柔道選手のTrichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡の1例
A Female Case of Kerion Celsi Due to Trichophyton tonsurans who Retired from Active Judoist after Successful Treatment Period
中田 礼
1
,
田邉 洋
2
Aya NAKADA
1
,
Hiroshi TANABE
2
1名古屋市立大学病院,皮膚科
2天理よろづ相談所病院,皮膚科
キーワード:
Trichophyton tonsurans
,
柔道部
,
ヘアブラシ法
,
学校保健
Keyword:
Trichophyton tonsurans
,
柔道部
,
ヘアブラシ法
,
学校保健
pp.1063-1066
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001440
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16歳,女性。柔道の全日本強化選手。数カ月前に生じた頭部の痤瘡様丘疹に対してステロイドを外用したところ皮疹が悪化して,炎症を伴う脱毛斑となり,当科を紹介受診した。脱毛部のKOH直接鏡検にて真菌要素を確認し,原因菌を同定して,Trichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡と診断した。テルビナフィン塩酸塩パルス療法で皮膚症状は改善したが,数カ月の競技禁止により選抜選手から外れ,患者は柔道を引退した。皮膚科医は本症を認識し,格闘技競技者への啓蒙を行うとともに,適切な問診と鏡検を怠らず,早期の診断,治療開始が重要であると考える。
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