高脂血症と糖尿病に伴う多発性成人型黄色肉芽腫の1例

Multiple Adult Xanthogranuloma Associated with Hyperlipidemia and Diabetes Mellitus

48歳，男性。既往に高脂血症と糖尿病がある。6カ月前より体幹に皮疹が出現し，徐々に増数した。頸部，右胸部，左腹部，右大腿に3～5mm大の表面平滑で光沢を伴う黄褐色の丘疹を計8個認めた。病理組織では表皮直下から真皮中層にかけてTouton型巨細胞，Langhans型巨細胞，異物型巨細胞を多数認め，一部では泡沫細胞もみられた。免疫組織化学染色ではS100蛋白陰性，CD68陽性であった。以上より成人型多発性黄色肉芽腫と診断した。切除後半年で新生疹がひとつみられた。成人型多発性黄色肉芽腫の報告では，高脂血症や糖尿病のほかに，まれに急性リンパ性白血病や骨髄異形成症候群などの血液悪性疾患の合併もあり，長期間の経過観察が必要と考えた。