Japanese
English
症例報告
多発性成人型黄色肉芽腫の1例
A case of multiple adult xanthogranuloma
Jeong Jinwook
1
,
伊藤 靖敏
2
,
村瀬 千晶
2
,
後藤 康文
3
,
森 重彰
1
Jinwook Jeong
1
,
Yasutoshi ITO
2
,
Chiaki MURASE
2
,
Yasufumi GOTO
3
,
Shigeaki MORI
1
1名古屋掖済会病院皮膚科
2名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
3ごとう皮フ科クリニック
1Division of Dermatology, Nagoya Ekisaikai Hospital, Nagoya, Japan
2Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
3Goto Dermatology Clinic, Nagoya, Japan
キーワード:
黄色肉芽腫
,
成人型
,
多発性
,
非Langerhans細胞性組織球症
Keyword:
黄色肉芽腫
,
成人型
,
多発性
,
非Langerhans細胞性組織球症
pp.611-615
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206432
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要約 35歳,家族歴,既往歴のない男性.初診2か月前に右鼠径部の小豆大の赤黄色の丘疹を自覚した.自覚症状はなかったが増大傾向と両側腋窩,左側の鼠径部にも同様の丘疹が出現したため受診した.初診時1〜8mm大の多発する赤黄色の丘疹が腋窩,鼠径部に散在し,病理組織所見でTouton細胞,リンパ球の浸潤を認め,CD68,第XIII因子陽性となり多発性成人型黄色肉芽腫(adult xanthogranuloma:AXG)と診断した.他臓器への浸潤は認めなかったが病変は増加傾向であったため,経過観察となった.自験例を含め国内外からの報告された29例をまとめたところ,経過観察のみで自然消退する症例から血液疾患を合併する症例まで,多様な臨床経過をたどりうることが明らかとなった.多発性AXGでは長期的なフォローが必要であると考えた.
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