Japanese
English
症例報告
ヘパリンカルシウム皮下注射部に浸潤性紅斑局面を生じた1例
A case of indurated erythematous plaques due to subcutaneous heparin injection
満 真理子
1
,
藤本 徳毅
1
,
四方 寛子
2
,
田中 俊宏
1
Mariko MITSURU
1
,
Noriki FUJIMOTO
1
,
Hiroko YOMO
2
,
Toshihiro TANAKA
1
1滋賀医科大学皮膚科学教室
2滋賀医科大学母子・女性科
1Department of Dermatology,Shiga University of Medical Science,Otsu,Japan
2Department of Obstetrics and Gynecology,Shiga University of Medical Science,Otsu,Japan
キーワード:
ヘパリンカルシウム
,
副作用
,
遅延型アレルギー
,
浸潤性紅斑局面
Keyword:
ヘパリンカルシウム
,
副作用
,
遅延型アレルギー
,
浸潤性紅斑局面
pp.927-930
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102743
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要約 26歳,妊婦.抗リン脂質抗体症候群を疑い,低用量アスピリンの内服とヘパリンカルシウムの皮下注射による抗血栓療法を開始したところ,1か月後に注射部に掻痒を伴う浸潤性紅斑局面が生じた.病理組織所見は真皮全層に著明なリンパ球,好酸球の浸潤を認め,血栓,壊死は認めなかった.問診上遅延性の反応であったため,ヘパリンカルシウムに対する遅延型アレルギーと考えた.ヘパリンカルシウムをダナパロイドナトリウムに変更したところ,皮疹は改善しその後は問題なく出産に至った.臨床症状,組織所見,検査所見よりヘパリン皮下注射による浸潤性紅斑局面と考えた.ヘパリンの皮下注射による浸潤性紅斑局面の報告例は海外では多数認められるが,本邦では非常に稀である.
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