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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
II 皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎患者の多元性—ダニ抗原に対する接触性皮膚炎患者の抽出と治療
Relationship of the clinical manifestations of atopic dermatitis to patch test and IgE for dust mite antigens
今山 修平
1
Shuhei IMAYAMA
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
ダニ抗原
,
パッチテスト
,
遅延型過敏反応
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
ダニ抗原
,
パッチテスト
,
遅延型過敏反応
pp.46-51
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900880
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臨床的にアトピー性皮膚炎と診断された患者は中心値を約560IU/mlに持つ正規曲線に近い血中総IgE値の分布を示した.このことは臨床診断によって,血中総IgE高値の一群が抽出されていることを示している.しかしダニ特異IgE値と2元的に解析すると患者は高値群(56.9%)と低値群(43.1%)とに二分された.同じ患者に対してダニ抗原を用いたパッチテストを実施するとIgE値とは無関係に39.2%が陽性を示した.以上の観察からアトピー性皮膚炎患者はダニ抗原に対する反応性(特異IgEの高/低とパッチテストの陽/陰性)により4群に分類された.パッチテストのみ陽性の患者(14.6%)はダニ抗原による慢性再発性接触性皮膚炎と考えられた.これを含めて,いずれかに陽性の3群(約70%)では各群ごとに特徴的な皮膚病変があり,ダニ除去治療に対する応答性にも差があることが判明した.残りの30%は皮膚病変の発現にダニ抗原が関与しない患者であると考えられた.
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