臨床講義
自己免疫性水疱症の診断
鶴田 大輔
1
Daisuke TSURUTA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学,教授
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
粘膜類天疱瘡
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
粘膜類天疱瘡
pp.71-79
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000520
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
自己免疫性水疱症は,免疫学的異常により,患者自己抗体が表皮細胞間接着あるいは表皮-基底膜部接着にたずさわる抗原分子と反応して,水疱を生じる疾患である。自己免疫性水疱症は自己免疫疾患のなかでもっとも病態解明が進んでいるものである。なかでも近年,自己免疫性水疱症の抗原解析が急速に進んだおかげで,自己抗体の解析法が確立されてきた。自己免疫性水疱症の代表的2疾患は,天疱瘡と類天疱瘡である。これらには,多種の亜系がそれぞれにあり,治療法や予後にも大きな違いがある。このため,確実に自己免疫性水疱症の病型を決定することが臨床的に極めて重要である。この病型決定にもっとも重要な検査法は,蛍光抗体直接法,蛍光抗体間接法,enzyme-linked immunosorbent assay(以下ELISA)/chemiluminescence enzyme immunoassay(以下CLEIA)法,免疫ブロット法である。この臨床講義で,これらの診断法の基本を述べることとする(詳しくは文献1を参照)1)。また,われわれの症例を数例実例としてあげる。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.