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特集 薬疹・薬物障害
幼少期の経皮・経粘膜感作が疑われたベタメタゾンによる薬疹の1例
Drug Eruption Due to Betamethasone Possibly Sensitized Percutaneously and/or Permucosally during Childhood
髙山 恵律子
1
,
瀬戸 英伸
1
Eriko TAKAYAMA
1
,
Hidenobu SETO
1
1高槻病院,皮膚科(主任:瀬戸英伸主任部長)
キーワード:
ベタメタゾン
,
薬疹
,
経皮・経粘膜感作
Keyword:
ベタメタゾン
,
薬疹
,
経皮・経粘膜感作
pp.39-43
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000513
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38歳,女性。ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合剤(セレスタミン®配合錠)を初めて内服した2日後より,体幹・四肢に多数の小紅斑が出現した。パッチテストでベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合剤および同剤中のベタメタゾンが陽性で,ベタメタゾン内服で紅斑が誘発されたため,ベタメタゾンによる薬疹と診断した。各種ステロイド剤のパッチテストでは,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(リンデロン®点眼・点耳・点鼻液)および同注射剤のみが陽性であった。幼少期,アトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎・鼻炎のためベタメタゾンリン酸エステルナトリウムの使用歴があり,当時の経皮・経粘膜感作が疑われた。ベタメタゾンは抗炎症作用を有するうえ,薬疹はまれで,被疑薬として盲点になりやすく注意が必要である。
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