症例
四肢に多発結節を呈した偽リンパ腫の1 例
平川 麻衣子
1
,
菅谷 誠
1
,
佐藤 伸一
1
1東京大学医学部,皮膚科学教室(主任:佐藤伸一教授)
キーワード:
偽リンパ腫
,
central colonization
,
MALTリンパ腫
,
遺伝子再構成
Keyword:
偽リンパ腫
,
central colonization
,
MALTリンパ腫
,
遺伝子再構成
pp.2029-2032
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000408
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42 歳,女性。15 年前より四肢に瘙痒を伴う皮疹が出現し,徐々に増数してきた。他院で肥満細胞腫や痒疹が疑われ,光線療法やステロイド外用を行うも改善せず,リンパ腫を疑われて当科を受診した。生検で真皮に濾胞構造とcentralcolonization,CD4 優位の小型T リンパ球浸潤を認めた。免疫グロブリン,T細胞受容体ともにモノクローナルな遺伝子再構成を認めず,偽リンパ腫と診断した。ステロイド内服で皮疹は改善した。悪性リンパ腫の初期像との鑑別は困難であり,発疹が多発する例や病理組織像が非典型的なものは,経過を注意深く観察する必要があると考えた。
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