Japanese
English
今月の主題 胃悪性リンパ腫―診断の変遷
序説
胃悪性リンパ腫―1980年以降の変遷
Introduction
藤野 雅之
1
Masayuki Fujino
1
1山梨医科大学第1内科
キーワード:
MALTリンパ腫
,
遺伝子再構成
,
リンパ球の表面マーカー
,
超音波内視鏡
,
粘膜切除術
Keyword:
MALTリンパ腫
,
遺伝子再構成
,
リンパ球の表面マーカー
,
超音波内視鏡
,
粘膜切除術
pp.997-998
発行日 1993年9月25日
Published Date 1993/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106251
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- Abstract 文献概要
切除する以外に今のところ確実に有効な治療法のない胃の癌腫とは異なり,リンパ腫は腫瘍の切除以外にも化学療法や放射線療法など有効な治療法があり,癌腫とはかなり様相を異にする.胃の悪性リンパ腫は胃原発の悪性腫瘍のうちの数%を占めるにすぎないが,ある程度進行したリンパ腫例にあっても,その的確な診断は治療法の選択を通じて,と言うよりしばしば,むしろ治療的努力を行うか否かによって,患者の予後を左右することになる.胃リンパ腫の診断は極めて重要である.
さてその胃リンパ腫であるが,本誌で最後に特集を組んだのは1980年から1981年前半にかけての,15巻9号,16巻2号,4号および5号のシリーズにおいてであった.1980年代初頭にこのシリーズが企画された理由の1つは,ちょうどそのころにリンパ球の機能分化に関する新しい知見をもとにしたリンパ腫の新しい組織学的分類がいろいろ試みられていたからであろうと思われるが,その後もこの方面の動きは継続している.
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