症例
腹部に多発した皮膚偽リンパ腫の1 例
野崎 由生
1
,
勝野 正子
1
,
水野 尚
1
1小田原市立病院,皮膚科(主任:水野 尚主任部長)
キーワード:
偽リンパ腫
,
多発
,
腹部
,
ステロイド局注
Keyword:
偽リンパ腫
,
多発
,
腹部
,
ステロイド局注
pp.1911-1914
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000371
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69 歳,女性。約6 カ月前に腹部に米粒大結節が数個出現し,正中部の病変は緩徐に増大した。初診時,腹部正中に拇指頭大紅褐色結節があり,周囲に米粒大紅褐色結節を4 個認めた。臨床検査所見や画像検査所見に異常なく,病理組織学的所見で真皮浅層を中心にリンパ濾胞構造が散見された。表皮直下にgrenzzone を認め,浸潤細胞に異型はなく,CD20 陽性細胞は濾胞中心に,CD3 陽性細胞は辺縁に多く認め,正常リンパ組織の染色パターンと酷似していた。以上より皮膚B 細胞性偽リンパ腫と診断した。ステロイド局所注射で改善傾向となったが,偽リンパ腫と診断後に再発を繰り返し,真のリンパ腫へ進展した例もあることから,注意深く経過を追う必要があると考えた。
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