Japanese
English
症例報告
多発した皮膚B細胞性偽リンパ腫の1例
A case of multiple cutaneous B cell pseudolymphoma
中村 善雄
1
,
布袋 祐子
1
Yoshio NAKAMURA
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Department of Dermatology,Ogikubo Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
偽リンパ腫
,
皮膚B細胞性リンパ腫
,
lymphomatoid hyperplasia
,
多発
Keyword:
偽リンパ腫
,
皮膚B細胞性リンパ腫
,
lymphomatoid hyperplasia
,
多発
pp.157-160
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102814
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要約 76歳,男性.初診の1か月前より上肢と軀幹の計4か所に紅色結節が出現した.自覚症状はなく,虫刺症などの既往もなかった.病理組織では表皮直下にgrenz zoneを有し,真皮内にtop heavyで稠密な細胞浸潤を認めた.浸潤細胞は小型のリンパ球を中心に組織球,形質細胞,好酸球からなり多彩であった.また真皮下層では濾胞様構造もみられた.免疫染色ではCD20,CD79aなどのB細胞マーカーが濾胞内部に強く,CD3,CD4などのT細胞マーカーは濾胞周囲を中心に陽性を示した.IgH鎖の遺伝子再構成は認められず,皮膚B細胞性偽リンパ腫と診断した.皮膚B細胞性偽リンパ腫はしばしば皮膚原発B細胞性リンパ腫との鑑別が困難である.自験例ではモノクローナリティーは認めなかったものの,誘因なく多発しており,皮膚原発B細胞性リンパ腫との鑑別に特に注意すべき症例と思われた.
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