症例
紅皮症を呈したIgG4 関連疾患の1 例
本間 由希子
1
,
平澤 祐輔
1
,
池田 志斈
1
,
眞野 訓
2
,
冨野 康日己
2
1順天堂大学医学部,皮膚科学講座(主任:池田志斈教授)
2同,腎臓内科学講座(主任:鈴木祐介教授)
キーワード:
IgG4関連疾患
,
紅皮症
Keyword:
IgG4関連疾患
,
紅皮症
pp.1915-1918
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000372
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78 歳,男性。3 年前より全身に瘙痒を伴う紅斑が出現した。初診時は紅皮症の状態であった。湿疹続発性紅皮症を考えnarrowband-UVB療法を施行したところ,皮疹は増悪し光線過敏を考えた。ニフェジピンの薬剤リンパ球刺激試験が陽性であり,内服中止し遮光するも依然難治であった。腫瘤形成性膵炎の疑い,後腹膜線維症の疑い,腎腫瘍の既往歴があり,高IgG4 血症がみられ,皮膚の免疫染色でもIgG4 強陽性であったため,一連の病態をIgG4 関連疾患と診断した。プレドニゾロン全身投与で皮疹は速やかに改善した。皮膚病変を伴うIgG4関連疾患の報告は多いが,紅皮症の報告は本邦初であり,多彩な皮膚症状を伴うことがあることを留意する必要がある。
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