Japanese
English
症例報告
胃癌を合併した紅皮症の1例
A Case of Erythroderma Associated with Gastric Cancer
北川 佳代子
1,2
,
福田 知雄
1
,
渡辺 匡子
1
,
山崎 雄一郎
1
Kayoko KITAGAWA
1,2
,
Tomoo FUKUDA
1
,
Kyoko WATANABE
1
,
Yuichiro YAMASAKI
1
1国立東京第二病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, The Second Tokyo National Hospital
キーワード:
紅皮症
,
胃癌
,
SCC関連抗原
Keyword:
紅皮症
,
胃癌
,
SCC関連抗原
pp.499-502
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900389
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74歳,男.昭和63年9月末より瘙痒性環状紅斑出現し,徐々に拡大したため10月24日当科初診.ステロイド外用,抗ヒスタミン剤内服するも皮疹は拡大し,発熱を認めるようになり当科入院となる.先行する皮膚疾患,薬剤摂取の既往なし.入院時ほぼ全身の落屑を伴うびまん性の潮紅,発熱,リンパ節腫張を認めた.原因検索として各種検査施行したところ,食道胃十二指腸造影,内視鏡にてBorrmann 2型の胃癌が発見されたため,当院外科にて胃全摘術施行.以後皮疹は著明に軽快し,1カ月半後には治癒した.なお全経過を通じ,血中SCC関連抗原値は皮疹と平行して推移した.本例は症状の消長より,内臓悪性腫瘍に随伴したdermadromeとしての紅皮症と考えられた.また血中SCC関連抗原値は,広範囲な皮膚病変を有する紅皮症においては,病状を知る上での指標の一つになるものと考えられた.
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