症例
巨大海綿状血管腫の1 例
小川 達也
1
,
田口 詩路麻
2
,
中山 凱夫
3
,
園尾 純一郎
4
1筑波大学医学医療系,皮膚科(主任:藤本 学教授)
2水戸協同病院,皮膚科,部長
3同,形成外科
4大洗そのお眼科,院長,茨城県東茨城郡
キーワード:
海綿状血管腫
,
静脈奇形
,
耳下腺
Keyword:
海綿状血管腫
,
静脈奇形
,
耳下腺
pp.1907-1910
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000370
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74 歳,女性。約30 年前に左頰部に腫瘤が出現した。緩徐に増大し,近医を経て当科を受診した。左頰部に30×25 cm 大の腫瘤があり,全身麻酔下に口外法でアプローチし,切除した。多房性,暗赤色の腫瘤で,病理組織学的所見で血管の拡張,充満する赤血球像がみられ,海綿状血管腫(静脈奇形)と診断した。術後は皮下血腫が口腔粘膜を圧迫し,経鼻エアウェイを挿入した。経過良好であり,術後8 日に退院した。術後3 カ月には左顔面神経枝の損傷による左口角下垂があった。海綿状血管腫は静脈奇形と同義であり,まれに巨大化の報告がある。自験例は巨大腫瘤により,片側下眼瞼が下方に牽引され,より紫外線曝露を受け,片側白内障を生じた可能性がある。
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