症例
臀部に生じたSeborrheic Inclusion Cyst の1例
澤田 知佐
1
,
石井 貴之
1
,
八田 尚人
1
1富山県立中央病院,皮膚科(主任:八田尚人部長)
キーワード:
脂漏性角化症
,
パピローマウイルス
,
表皮囊腫
,
粉瘤
Keyword:
脂漏性角化症
,
パピローマウイルス
,
表皮囊腫
,
粉瘤
pp.1737-1740
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000253
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74歳,男性。4年前から右臀部に皮下結節が出現。右坐骨直上に,2.5cm大で表面が軽度角化し,暗紅色斑を伴う皮下結節を認めた。病理組織学的には重層扁平上皮に内腔面を裏打ちされた囊腫であったが,壁の一部が肥厚し脂漏性角化症様の変化を認めた。免疫染色ではp53は一部の基底細胞にのみ陽性,p63はびまん性に陽性,ヒトパピローマウイルス(HPV)は陰性であった。PCR法でもHPV遺伝子は検出されなかった。Seborrheic inclusion cystは,自験例を含め過去に16例の報告がある。その発症にはウイルス感染や外傷との関連も示されるが,いまだ不明な点が多く,今後の症例の蓄積が期待される。
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