症例
多発性石灰化上皮腫の1 例―石灰化上皮腫の当施設集計と併せて―
本間 由希子
1
,
石井 智子
1
,
吉池 高志
1
,
和田 了
2
1順天堂大学医学部附属静岡病院,皮膚科(主任:吉池高志教授)
2同,病理科,科長
キーワード:
多発性石灰化上皮腫
Keyword:
多発性石灰化上皮腫
pp.1729-1732
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000251
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21歳,女性。7歳時より全身各所に硬い皮下腫瘤が増数・増大した。右耳下腺部では5cm大にも及ぶ。一部切除した結果,石灰化上皮腫と診断した。当院での14年間における石灰化上皮腫91例中,多発例は7例(7.7%)であった。男性2例,女性5例,合併症として粉瘤を2例認めたが,筋緊張性ジストロフィはなかった。近年,筋緊張性ジストロフィと石灰化上皮腫の合併が増加している。石灰化上皮腫はまれな疾患ではないが,多発例ではさまざまな合併症が報告されていることを留意する必要がある。
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