症例
Perforating Pilomatricomaの1例
松浦 佳奈
1
,
松岡 摩耶
1
,
門野 岳史
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科学教室(主任:相馬良直教授)
キーワード:
経表皮排泄像
,
石灰化上皮腫
,
perforating pilomatricoma
Keyword:
経表皮排泄像
,
石灰化上皮腫
,
perforating pilomatricoma
pp.1571-1574
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000207
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15歳,男性。4カ月前より右上背部に痤瘡様皮疹が出現し,徐々に増大し出血と排膿を繰り返すようになった。初診時10×14mm のドーム状に隆起した弾性軟の淡紅色結節を認め,中央に黄色痂皮が付着していた。病理組織学的所見で表皮直下から真皮上層に好塩基性細胞と陰影細胞から構成される境界明瞭な腫瘍塊を認め,腫瘍塊周囲の表皮は偽癌性増殖を呈し,一部真皮内に陥入していた。また腫瘍直上の表皮は欠損し,腫瘍塊が表皮を穿孔する経表皮排泄像(transepidermal elimination)を認めた。Perforating pilomatricomaの臨床像は多彩であるが,若年者に比較的急速に増大する腫瘤をみた際は本症を鑑別疾患として考慮すべきであると思われた。
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