Japanese
English
症例報告
Warty dyskeratomaの1例
A case of warty dyskeratoma
小林 紘子
1
,
米原 修治
2
,
田中 麻衣子
3
,
森本 謙一
1
Hiroko KOBAYASHI
1
,
Shuzi YONEHARA
2
,
Maiko TANAKA
3
,
Kenichi MORIMOTO
1
1尾道総合病院皮膚科
2尾道総合病院病理科
3広島大学病院皮膚科
1Division of Dermatology, Onomichi General Hospital, Onomichi, Japan
2Division of Pathology, Onomichi General Hospital, Onomichi, Japan
3Division of Dermatology, Hiroshima University Hospital, Hiroshima, Japan
キーワード:
warty dyskeratoma
,
棘融解
Keyword:
warty dyskeratoma
,
棘融解
pp.287-290
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204371
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要約 60歳,男性.右頸部に皮下結節があり,徐々に増大した.母指頭大の皮下結節に紅斑を伴っていたため,感染性粉瘤の疑いで抗生剤内服した後,全摘術を施行した.病理組織では,表皮から連続して真皮内に複数の囊腫構造を認め,囊腫壁の一部には顆粒層を伴う正常表皮構造が残存していた.深部では絨毛状に増殖する基底細胞様の細胞が基底層直上で棘融解を生じていた.円形体や顆粒体などの異常角化細胞もみられたことから病理組織学的にwarty dyskeratoma(WD)と診断した.WDは臨床的には中心臍窩を有する丘疹あるいは結節であるが,全体としては特徴のない小腫瘍で,粉瘤,脂漏性角化症などと診断されることが多く,臨床のみで診断をつけるのは難しい疾患である.WDは稀な疾患ではあるが,その特徴的な組織像から診断可能であるため,WDの組織像を知っておくことが必要と考えた.
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