症例
術後13 年で肺転移をきたした隆起性皮膚線維肉腫の1例
大塚 陽子
1
,
門野 岳史
1
,
松岡 摩耶
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
,
佐治 久
2
,
中村 治彦
2
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科学教室(主任:相馬良直教授)
2同,呼吸器外科
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
転移
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
転移
pp.1453-1456
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000172
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39歳,男性。2002年,左鎖骨部の隆起性皮膚線維肉腫を拡大切除した。2015年,健診で胸部異常陰影を認め,同年12月当院呼吸器内科を紹介受診。CTで左S4末梢に約2cmの境界明瞭,内部均一な分葉状腫瘤性病変があり,PETCTで同部位にのみ異常集積を認めた。気管支鏡下肺生検で隆起性皮膚線維肉腫の肺転移が疑われた。2016年1月,当院呼吸器外科で切除。病理組織学的所見では紡錘形の腫瘍細胞が花むしろ状に密に増殖し,CD34陽性であり隆起性皮膚線維肉腫の肺転移と診断した。局所再発はなかった。本症は局所再発傾向を認めるが,転移はまれである。自験例は局所再発なく術後10 年以上経過したにもかかわらず,遠隔転移をきたしたまれな症例と考えた。
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